長い休校期間を経て学校が再開し、ようやく今週から部活動としても少しづつですが活動を再開できるようになってきました。
そこで今回は吹奏楽部で取り組んでいるウイルス感染防止策についてご紹介したいと思います。
まず最初に学校の対策として
- 毎朝の検温
- 風邪症状を家庭で確認→体調管理カードによって把握
- 手洗い・咳エチケットの徹底
- マスク着用の徹底
- 環境衛生の保持(生徒が手で触れる部分〈扉・スイッチ・手すりなど〉の消毒など)
が行なわれています。
以下はその上での部活動としての感染対策となります。
まずウイルスの感染経路として
- 飛沫感染
- 接触感染
が考えられています。
厚生労働省ホームページより 新型コロナウイルス感染症にはどのように感染しますか。
飛沫感染対策として
部活動中の飛沫感染対策
- 楽器演奏以外の時間
- 楽器演奏中
1.楽器演奏以外の時間
- 通常の生活と同様に楽器演奏以外の時間に関してはマスクの着用
- 返事の声を基本的に無くし頷いたりリアクションする
- 2m以上の距離を取る(ソーシャルディスタンス)などの対策
- 開けられるすべての窓を開け常に空気が流れ、換気できるようにする
以上の対策を取っています。
(最近ではマスクの効果も統計的に世界で認められてきているようです。)
2.楽器演奏中
吹奏楽部として取沙汰される事が多いのはこちらの管楽器演奏時の飛沫についてかと思います。
こちらに関しては様々な団体で調査が行われています。
●ドイツの医学博士とオーケストラによる調査結果と共同声明
「新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック期間中のオーケストラ演奏業務に対する共同声明」
●ウィーンフィルと医学博士による飛沫実験
●埼玉県・秋草学園吹奏楽部による飛沫実験映像
●中川楽器によるトランペット飛沫実験
これらの実験結果を見ていくと、管楽器演奏の際にはごく近い範囲でしか飛沫は確認されないことがわかります。
具体的に数値で示しているウィーンフィルの実験によると、一番飛沫が飛びやすいフルートの演奏の際にも80cmを超えることはないとのことです。マスク無しで会話しているときの飛沫は約1〜2m飛ぶといわれているのでそれよりも飛沫は発生しないと考えられます。
そのため、楽器演奏時の飛沫感染対策としてマスク無しでの会話の際と同様に
2m以上の距離(お互いの両手がぶつからない距離)を保って演奏する
こととしています。
また、金管楽器の水抜き、クラリネットのベルからの水対策として
基本的に今までのつば拭きタオルは廃止、すべて捨てられるティッシュを使用※することとします。
クラリネット、オーボエも床に直接たらさないようにティッシュを敷き※、練習します。
また各自にビニール袋を配布し、使用したティッシュ※を入れて口を閉じ携帯します。
部活終了時に一つのゴミ袋にまとめて捨てます。
※現在、より吸水性の高いペットシーツを使用しています。
また、クラリネット、オーボエは床に敷くのではなくベルに直接つけています。
接触感染対策
接触感染はウイルスが手などを介して口、鼻、目の粘膜などから体内に入ることによっておこります。
そのため、まず活動場所にウイルスなどを持ち込まないという観点からまずは手洗いの徹底からおこないます。
部活動開始時、音楽室に入室した時点でまずは手洗いをしますが、その際に係を設けチェックをするようにしています。
これは部活動が終了して帰宅する前にもおこないます。
また、活動場所の消毒に関してですが、音楽室や各教室は授業終了後(部活動開始前)に机や椅子、ドアなどを消毒をすることになっています。
そして部活動終了後にも同様に消毒を行います。
楽器に関しての接触感染防止策ですが、練習終了後にマウスピース、リード類、スワブなどの掃除お手入れ用具などを消毒しています。
また、打楽器などは基本的にスティックなどを使い回さないようにし、どうしても複数の人間が触れる必要のある楽器(シンバルなど)に関して使い捨て手袋の使用や、その都度手洗いをすることとします。
コントラバスも打楽器と同様の対策をとっていきます。
なお、部屋と楽器類の消毒に際しては経済産業省およびNITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)が発表している「新型コロナウイルスに対して有効な界面活性剤」に基づいた洗剤、クリーナーを使用しています。https://www.nite.go.jp/data/000109484.pdf
長くなりましたが、吹奏楽部では以上のような対策をとっています。
これらは最新の情報に基づいて実行していますが、今後新しい情報などが入り次第更新されていく可能性があります。
様々な根拠に基づいて対策を練っていますが、それでも心理的に不安の残ることもあるかと思います。
部員本人とご家族で話し合って、これらの対策に納得がいけば部活動に参加をしてもらうように指導しています。
不安が残る場合は無理に参加することのないようにしています。
以上
狭山ヶ丘高等学校吹奏楽部 顧問陣